キャンプの雨撤収 | 濡れたテントの片付け手順と帰宅後の乾燥ケア

湖畔の森に佇む黄色いテント — キャンプの雨撤収を考える朝

天気予報を信じて出発したのに、撤収日の朝に雨。予報が外れる経験は、キャンプを続けていれば誰でも一度は通る道です。

筆者は晴れの日でも撤収に2時間ほどかかるタイプで、雨が降った日には毎回パニックになりかけていました。けれど何度か雨撤収を経験しているうちに、「順番」と「道具の置き場所」を決めてしまえば、雨でも撤収時間はそれほど延びないことが分かってきました。

この記事では、雨撤収をスムーズに乗り切るための段取りと、帰宅後にテントをカビさせないためのケアまでを、自分の失敗を踏まえて整理します。

目次

  1. 雨撤収がいつもの倍しんどく感じる理由
  2. 撤収を始める前に決める3つのこと
    1. 撤収開始のタイミングを決める
    2. 車のラゲッジに防水ゾーンを作る
    3. 自分の防雨装備を整える
  3. 雨撤収の手順|濡れにくい順番で進める
    1. 室内の荷物を先に車へ運ぶ
    2. ペグ・張り綱以外の小物を片付ける
    3. インナーテントをフライから外す
    4. ペグを抜く(一気に抜かない)
    5. フライシートを畳まずに丸める
    6. グランドシートとタープを最後にしまう
  4. 車内に泥と水を持ち込まないための工夫
  5. 帰宅後のテントケア|カビさせないための48時間
    1. 帰宅当日にやること
    2. 翌日以降にやること
  6. 雨撤収であってよかった道具リスト
  7. 雨に強いテントを選んでおくのも事前対策
  8. まとめ|雨撤収は「順番」と「置き場所」で勝負がつく

雨撤収がいつもの倍しんどく感じる理由

雨の日に撤収が遅れるのは、単純に「作業が増える」からだけではありません。次のような複数の要因が同時にのしかかってくるからです。

  • テントを畳んでも水分でかさが減らず、収納袋に入りきらない
  • ペグや張り綱に泥が付き、そのまま袋に戻せない
  • グランドシートを先にしまうと、フライを置く場所が無くなる
  • 自分も濡れているので、車内シートを汚したくない気持ちで動きが止まる
  • 撤収中も雨は降り続けているため、片付けたそばから濡れ直す

つまり「濡れた道具をどこに一時的に置くか」「車にどう積むか」が決まっていないと、いつもの2倍以上の時間がかかります。逆にいえば、置き場所と順番を先に決めておけば雨撤収は怖くありません。

撤収を始める前に決める3つのこと

雨が降っているときほど、いきなり手を動かさずに次の3点を5分だけ考えるのが結果的に早道です。

撤収開始のタイミングを決める

レーダーアプリ(ウェザーニュースtenki.jp など)で、これから2〜3時間の雨雲の動きを必ず確認します。1時間後に止む見込みなら、その間に車内の片付けや食器類だけ進めて、テントは雨が小降りになってから畳むのが正解です。

逆に「これから本降りになる」予報なら、迷わず即撤収開始。雨は強くなるほど作業効率が落ちるので、降りが弱いうちに片付けるほど楽になります。

車のラゲッジに防水ゾーンを作る

濡れたテントを後で乾かすことが分かっているので、車内で「濡れていいゾーン」と「濡らしたくないゾーン」を物理的に分ける準備をします。

  • 大型のレジャーシート、または使い古しのブルーシートをラゲッジに敷く
  • その上にビニール袋(45L以上のゴミ袋)を2〜3枚広げて置く
  • 濡れていない荷物(衣類・寝袋・調理器具)は後部座席に避難させる

ここを先にやっておくと、テントを畳んだ後に「どこに置くか」で迷わずに済みます。

自分の防雨装備を整える

レインウェア、長靴、防水グローブを着てから作業に入ります。フードを被っているとペグ抜きの姿勢で視界が狭くなるので、キャップ+レインウェアの組み合わせの方が動きやすいことが多いです。

雨撤収の手順|濡れにくい順番で進める

ここからが本題です。「最後まで雨に強いものを残す」のがコツで、具体的にはタープ(または前室の屋根部分)を最後まで残し、その下で他の作業を進めます。

室内の荷物を先に車へ運ぶ

まずインナーテント内の濡れていない荷物(寝袋、マット、衣類)を一気に車へ移します。この段階ではテント本体はまだ立てたまま。

ポイントは、寝袋やマットを「ビニール袋に入れてから」車に運ぶことです。インナーの床には少なからず水滴が付いているので、袋に入れずに運ぶと車内まで湿ります。

ペグ・張り綱以外の小物を片付ける

調理器具、ランタン、テーブル、チェアなど、テント周辺の小物を一通り片付けます。この段階ではタープとテントは立ったままなので、雨に濡れずに作業できます。

泥が付いた小物(特にチェアの脚、ペグハンマー)は、無理にきれいにしようとせずゴミ袋に放り込んで車へ。きれいにするのは帰宅後で十分です。

インナーテントをフライから外す

ダブルウォールテントなら、まずインナーをフライから取り外して先に畳むのが鉄則です。インナーは比較的乾いているので、これだけは普通に畳んで純正の収納袋に入れられます。

シングルウォールテントの場合はこの工程は無し。

ペグを抜く(一気に抜かない)

風が無ければ問題ありませんが、雨の日は風も伴うことが多いので「対角線に少しずつ抜く」のが鉄則です。一気に片側だけ抜くと、フライがバタついて余計に濡れます。

抜いたペグは、現地できれいにせず専用のペグケース(または小さなバケツ)に放り込むだけ。泥は帰宅後にまとめて落とします。

フライシートを畳まずに丸める

ここが最大のポイントです。雨に濡れたフライは「畳まない」。畳んでもどうせ家で広げ直して乾かすので、畳む手間は完全に無駄になります。

代わりに45L以上のゴミ袋にぐしゃっと押し込むだけ。空気を抜きながら口を縛れば、思ったより小さくまとまります。これで車のラゲッジ防水ゾーンに直行です。

グランドシートとタープを最後にしまう

グランドシートの裏側は泥だらけなので、裏面を内側にして二つ折りにしてから袋へ。表面を内側にすると車にシートを敷いた防水ゾーンが汚れます。

タープは一番最後。タープを下ろした瞬間に自分が雨に晒されるので、ここまでで車の積載をほぼ終わらせておくのが理想です。

車内に泥と水を持ち込まないための工夫

濡れたテントとペグを車に積んだ後でも、できる工夫はあります。

  • 長靴やレインウェアは車に乗る直前に脱いで別のゴミ袋へ入れる
  • 運転席のフロアマットの上にタオルを1枚敷く
  • フロントガラスの曇り止めとして、エアコンを「外気導入+A/C ON」にしておく
  • ラゲッジを開けるタイミングは最小限に。一度閉めたら次は帰宅時まで開けない

帰宅後のテントケア|カビさせないための48時間

雨撤収で一番怖いのは、実は現地ではなく帰宅後の放置です。濡れたテントをそのまま2〜3日放置するとカビが生え、防水コーティングが内側から剥離して買い替え一直線になります。

帰宅当日にやること

  • ゴミ袋からフライとグランドシートを取り出し、ベランダや浴室に広げる
  • 完全に広げられない場合は、椅子2つの間にロープを張って吊るす
  • 泥が付いている部分は、乾く前に水で軽く流す(乾いてからだと落ちにくい)

翌日以降にやること

  • 晴れていれば屋外で本乾燥(直射日光に長時間当てるとコーティング劣化するので、午前中だけ)
  • 室内乾燥なら扇風機を当てて24〜48時間
  • ペグは泥を落として乾かしてから袋に戻す
  • 完全に乾いてから収納袋にしまう

賃貸で広げる場所が無い場合は、コインランドリーの大型乾燥機でテントを乾かす方法もありますが、メーカーによっては推奨されないので説明書を確認してください。

近くにテントの「乾燥サービス」を提供しているキャンプ用品店もあるので、調べておくとイザというときに便利です。

雨撤収であってよかった道具リスト

雨撤収を何度か経験してから常備するようになったものを挙げます。

道具 用途
大型ゴミ袋(45L以上、5枚以上) 濡れたテント・グランドシートの一時収納
ブルーシート(小さめ1.8m × 1.8mなど) 車のラゲッジに敷く防水ゾーン
レインウェア上下 撤収中の自分の防雨。傘よりも両手が空く分早い
防水グローブ ペグ抜き・テント畳みで手がかじかむのを防ぐ
大判のマイクロファイバータオル 撤収後に道具を簡単に拭ける
ヘッドライト 雨で日中でも暗いとき、テント内で手元を照らせる

特にゴミ袋とブルーシートは雨予報がなくても常にラゲッジに積みっぱなしにしておくと、急な雨でも慌てずに済みます。

雨に強いテントを選んでおくのも事前対策

そもそも雨撤収のしんどさは、テントの耐水圧によっても大きく変わります。耐水圧が低いテントは、撤収時にすでに内部まで浸水していることがあり、片付け以前の問題になります。

テントの耐水圧の選び方は別記事でまとめているので、買い替えを検討している方はあわせて読んでみてください。

まとめ|雨撤収は「順番」と「置き場所」で勝負がつく

雨撤収を早く済ませるコツは、テクニックよりも事前の段取りです。

  • 撤収開始前に雨雲レーダーで2〜3時間先を読む
  • 車のラゲッジに防水ゾーンを作っておく
  • 室内の荷物 → 小物 → インナー → ペグ → フライ → グランドシート → タープの順で進める(最後まで雨に強いものを残す)
  • 濡れたフライは「畳まずにゴミ袋に丸める」
  • 帰宅後48時間以内に必ず乾燥させる

雨撤収を1〜2回乗り越えると、晴れの日の撤収も自然と早くなります。「畳む順番を決めておく」「濡れていいゾーンを作る」という発想は、雨の日だけのものではないからです。

次のキャンプは雨予報でも、ぜひ落ち着いて撤収してみてください。