冬キャンプの夜、焚き火を囲みながら飲むホットワイン(グリューワイン)は格別。市販のレンチンタイプでは出ない深みのある味わいを、ダッチオーブンやシェラカップで簡単に作れる のがキャンプならではの魅力。
この記事では、キャンプ場で実際に作ってきた経験から、ホットワインの基本レシピ、スパイスの黄金比、ダッチオーブン編とシェラカップ編の作り分け、ノンアル版アレンジまでをまとめる。
なお、本記事は 20 歳以上の方が嗜む前提で書いている。寒い夜の一杯として楽しんでほしいが、運転予定がある場合は後述のノンアル版を選ぶこと。
目次
ホットワインとは
ヨーロッパで古くから飲まれてきた温めたワインの総称。ドイツ語で「グリューワイン(Glühwein)」、フランス語で「ヴァン・ショー(Vin Chaud)」、北欧では「グレッグ(Glögg)」と呼ばれる。
赤ワインに柑橘類とスパイス、甘味料を加えて温めるのが基本。アルコールの一部は加熱で揮発するので、ストレートのワインより飲みやすくなる。
必要な材料(2 人分)
必須
- 赤ワイン(フルボトル 1/3 本程度・約 250ml)
- オレンジ 1/2 個(皮ごと使うので無農薬がベスト)
- レモン 1/4 個
- シナモンスティック 1 本(パウダーなら小さじ 1/4)
- クローブ(ホール)3〜4 粒
- 砂糖またははちみつ 大さじ 1〜2
あると深みが出る
- スターアニス(八角)1 個
- カルダモン(ホール)2〜3 粒
- ジンジャースライス 1 枚
- 黒胡椒 数粒
道具
- ダッチオーブン または シェラカップ
- マグカップ
- ザルまたは茶こし(提供時にスパイスを濾す)
キャンプでの作り方
ダッチオーブン編(4 人以上向け)
- ダッチオーブンに赤ワインを入れる
- オレンジとレモンを輪切りにして加える
- シナモン、クローブ、スターアニスを入れる
- 砂糖またははちみつを加える
- 焚き火の弱火(炭の上)で 15〜20 分かけてゆっくり温める
- 鍋肌から小さな泡が出始めたら火から下ろす(沸騰させない)
- 茶こしでスパイスを濾しながらマグカップに注ぐ
沸騰させるとアルコールが完全に飛び、酸味だけ残った味になる。ふつふつする手前で止めるのが最大のコツ。
シェラカップ編(ソロキャンプ向け)
- シェラカップに赤ワインを 150ml 注ぐ
- オレンジとレモンを 1 枚ずつ加える
- シナモンスティック 1/2 本、クローブ 2 粒を入れる
- 砂糖小さじ 1 を加える
- 焚き火の脇に置き、5〜8 分温める
- 直接そのまま飲む
シェラカップなら洗い物も最小限で済む。スパイスを濾さず一緒に楽しむのも野趣があってよい。
スパイスの黄金比
「シナモン強め」「ジンジャー入れる」など好みは分かれるが、初めて作るなら以下の比率 が外しにくい。
| スパイス | ワイン 250ml に対する分量 | 役割 |
|---|---|---|
| シナモンスティック | 1 本 | 主役の甘い香り |
| クローブ(ホール) | 3〜4 粒 | スパイシーな深み |
| スターアニス | 1 個 | アジアンな香り |
| カルダモン | 2 粒 | 爽やかさ |
| 黒胡椒 | 3〜4 粒 | キレを出す |
慣れてきたら、自分の好みに合わせて以下のように調整する。
- 甘め: シナモン 2 本 + はちみつ 大さじ 2
- スパイシー: クローブ 6 粒 + 黒胡椒 多め
- 爽やか: カルダモン 4 粒 + ジンジャー 2 枚
- アジアン寄り: スターアニス 2 個 + シナモン 1 本
アレンジレシピ
白ホットワイン
赤ワインの代わりに白ワインで作る。柑橘とスパイスはそのままで、より爽やかな仕上がり。辛口の白ワイン + はちみつ + ジンジャー の組み合わせが特に合う。
スパイシーチョコホットワイン
濃厚な赤ワイン(フルボディ)に ダークチョコレートのかけら 1 片(約 10g) を加えるだけで、デザート感のあるホットワインになる。寒い夜の締めにおすすめ。
りんごジュース割り
赤ワイン 100ml に対してりんごジュース 100ml を加える。アルコール度数が下がって飲みやすくなり、子供連れキャンプでも家族で似た味を共有できる。
ノンアル版:ホットアップルサイダー風
運転担当・未成年・お酒が苦手な人向けのノンアルレシピ。
材料
- りんごジュース(100% 果汁推奨)250ml
- オレンジ 1/2 個
- シナモンスティック 1 本
- クローブ 2 粒
- スターアニス 1 個
- はちみつ 小さじ 1
作り方
ホットワインと同じ手順で、ワインをりんごジュースに置き換えるだけ。ジュース自体に甘味があるので砂糖は控えめ にする。
ノンアルでもスパイスの香りはしっかり立つので、家族全員で「同じ雰囲気の一杯」を楽しめる。
キャンプで作るときのコツ
沸騰厳禁
最重要ポイント。ホットワインの旨味はワインの香りとアルコールから出るので、沸騰させると一気に水っぽくなる。鍋肌に泡が小さく出る程度(70〜80℃)で止める。
柑橘は皮ごと使う
オレンジとレモンの皮には香り成分(リモネン)が多く、皮ごと入れることで深みが出る。ワックスや防カビ剤の付着が気になるなら、塩で皮を擦り洗いしてから使う か、無農薬・国産のものを選ぶ。
ホールスパイスを使う
パウダースパイスでも作れるが、底に粉が溜まってザラつくので、ホール(粒のまま)の方がきれい に仕上がる。家でも使い回せるので、キャンプ用にホールスパイスをひと揃えしておくと長く使える。
提供時はマグカップを温める
冷えたマグカップに注ぐと一気に冷める。焚き火の脇でカップを温めておく か、お湯で軽くすすいでから注ぐ。
量は控えめに
ホットワインは温められて香りが立ち、飲みやすくなる分、つい飲み過ぎる。1 人 1〜2 杯(150〜300ml)が目安。翌朝の活動を考えてセーブする。
まとめ
ホットワインは「沸騰させずに 70〜80℃ でゆっくり温める が成功のカギ」。シナモン・クローブ・スターアニスを基本に、好みでジンジャーやチョコをアレンジすると、家庭では出せない焚き火ならではの一杯ができる。
ノンアル版のホットアップルサイダーも同じ手順で作れるので、グループキャンプでもお酒を飲まないメンバーと一緒に楽しめる。冬キャンプの夜の冷えた体を内側から温めてくれる、季節を象徴する camp 飲料として定番化させたい。