雨予報が出るとキャンプを諦めたくなりますが、実際に行ってみると「これはこれで悪くない」と感じる瞬間がいくつもあります。タープを叩く雨音、湿った土と焚き火の煙が混ざる匂い、晴天キャンプより圧倒的に空いているサイト。準備さえ整えば、雨の日ならではの風情を楽しめます。
ここでは「雨を凌ぐ動線づくり」「火気の代替手段」「テント内の浸水対策」など、雨キャンプを快適にこなすための具体的なコツを紹介します。
目次
- まずは「雨を凌ぐスペース」を確保する
- 焚き火・炭火が使えない前提でガスバーナーを用意する
- テント内の雨音は実際の雨量より大きく聞こえる
- テント内の地面浸水にはコットが効く
- たまには雨キャンプも風情があっていい
まずは「雨を凌ぐスペース」を確保する
雨キャンプで一番大事なのは、寝室以外に屋根のあるスペースを作っておくことです。テントの中だけで生活しようとすると、調理・食事・くつろぎがすべて寝室と一体化し、濡れた荷物の置き場にも困ります。
具体的には、以下のどちらかの構成が基本になります。
- タープを別途張る:テントの前室にタープを連結すると、雨を避けながら椅子に座って外を眺められる広いリビングが作れる
- 2ルームテントや前室の広いテントを使う:寝室と前室が分かれているので、前室を調理・食事スペースとして使える
リビングと寝室が分かれていれば、濡れた雨具やテーブルを寝室に持ち込まずに済みます。タープの場合は、雨水が溜まらないように 片側を低めに張って傾斜をつける のがコツ。中央が水溜まりになると一気に重くなり、最悪ポールが折れます。
雨に強いテント選びの基準は テントの耐水圧とは?キャンプで雨に強いテントを選ぶ基準 で詳しくまとめています。
焚き火・炭火が使えない前提でガスバーナーを用意する
雨が強いと、焚き火台や炭火コンロは現実的に使えなくなる場面が多いです。タープ下で火を扱うのは一酸化炭素中毒・火傷・タープ穴あけのリスクがあり、推奨できません。
そこで便利なのが ガスバーナーやカセットコンロ です。
- シングルバーナー(OD缶 / CB缶):少人数のお湯沸かし・簡単な調理に
- ツーバーナー:ファミリーや2品同時調理に
- カセットコンロ:自宅と同じ感覚で鍋やフライパンが使えて、雨の日に特にありがたい
ガス系の火器なら、タープの開放面に近い位置で換気を確保すれば安全に使えます。寒い時期は 石油ストーブを焚いてその上で湯沸かし・煮込み をする方法もあり、暖房と調理を兼ねられて効率的です(必ず一酸化炭素チェッカーを併用してください)。
ほりにしのような汎用調味料を一つ持っていけば、雨の日でも凝った料理を作らずに味の満足度を上げられます。具体的な使い方は ほりにし使い方完全ガイド で紹介しています。
テント内の雨音は実際の雨量より大きく聞こえる
これは雨キャンプ初心者がよく勘違いするポイントです。テント内で聞こえる雨音は、外で感じる雨量よりかなり大きく聞こえます。
テントやタープの生地は雨粒が当たるたびに振動して音を増幅するため、シトシト降りでも「ザーザー降り」のように響きます。撤収のタイミングを判断するときや「もう外で動けないかも」と感じたときは、一度テントから出て外の雨量を直接確認するのが鉄則です。
実際に外に出てみると、
- 思ったほど降っていなくて、軽く動ける
- 一時的に小雨になっていて、撤収のチャンス
というケースが意外と多くあります。雨音だけで判断して諦めるのはもったいないので、頭から雨に当たるのを覚悟で一度サイトを見渡してみてください。
テント内の地面浸水にはコットが効く
長時間の雨が続くと、グランドシートやテントの底面を伝って 地面の水分がテント内側まで染みてくる ことがあります。寝袋やマットが下から濡れると体温を奪われ、夜通し不快な思いをします。
この対策に圧倒的に効くのが コット(折りたたみ式の簡易ベッド) です。
- 地面から10〜30cm浮いた場所で寝るので、地面浸水の影響をほぼ受けない
- 冬は地面からの底冷え対策にもなり、年間を通して使える
- 椅子代わりにもなり、テント内のスペース効率が良くなる
ハイコット・ローコットの違いはありますが、雨対策が主目的なら 少し地面から離せるハイコット寄り のものがおすすめです。コットを置く前提でテント内のレイアウトを考えると、雨が染みても致命傷にならない設営になります。
撤収時に濡れたテントをどう扱うかは キャンプの雨撤収|濡れたテントの片付け手順と帰宅後の乾燥ケア にまとめてあります。
たまには雨キャンプも風情があっていい
雨キャンプは荷物が増えるし、撤収も大変だし、決して気楽ではありません。それでも、年に数回くらいは経験しておくと、晴天キャンプでは味わえない静けさと集中感に出会えます。
- タープを叩く雨音をスピーカー代わりに、本やコーヒーに集中できる
- サイトが空いていて、人気キャンプ場でも貸切のような気分になれる
- 焚き火が制限される代わりに、ストーブやランタンの灯りに目が向く
雨を「ハズレ」と決めつけず、雨キャンプ専用の道具と動線を一度組んでおけば、天気予報に振り回されずに済みます。タープ・コット・ガスバーナーの三点セットさえ揃えれば、次の梅雨シーズンが少し楽しみになるはずです。